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えひめ、その住まいとくらし(平成17年度)

(4)造作

 **さんは床、天井などの造作について、次のように話した。
 「土台の上に土台と同じ大きさの材を載せます。これを大引きといい3尺(約90.9cm)間隔で配して行きます。大引きの上に直角に根太を掛けて行きます。大引きの下は束石の上に立てた床束でささえます。
 根太と根太の間は、昔は粗かったのです。3尺の間を一つ割るだけだったのです。長さ6尺3寸(約191cm)、幅が3尺1寸5分(約95cm)の関西間の畳を敷くことが出来るように考えられていたのです。6畳間で尺2寸(約36cm)間隔で根太を14本掛けるのです。
 その上に畳の間、板の間、廊下、縁側など場所に応じて床板を張ります。もちろん部屋の条件によって、たとえばその部屋が書斎であって、本をたくさん置くときなどは、根太の数を増やします。学校などは根太の間隔を芯(しん)から芯で1尺2寸にします。根太は昔は5cmあったのですが、今は細くなって、弱くなっていますので、数を増やして入れます。
 竿縁(さおぶち)(板張り天井の板を支え、装飾するための細長い材)天井の場合、竿縁の入れ方は、部屋の入り口に平行に入れます(写真1-13参照)。床の間のある座敷は、床の間と平行に入れ、廊下などは長い方向に入れます。
 天井の吊り加減は、2間(約3.64m)で1寸(約3.0cm)上につり上げるのです。その間隔は3尺です。竿縁の上に天井板があり、その上に野縁(天井板を取り付けるために、柱にわたして横に打ち付けた細長い材)を1本ずつ通して、竿縁に打ち付けます。それにつり木を組み込んで、つり木受けと梁(はり)でつり上げてあるのです。昔は針金でつったこともあるそうですが、そうすると風の強い所は、天井がばたばたと動いたそうです。」


写真1-13 竿縁天井(竿縁は床の間と平行)

写真1-13 竿縁天井(竿縁は床の間と平行)

西条市丹原町。平成17年11月撮影