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遍路のこころ(平成14年度)

3 小豆島島四国

 昭和56年(1981年)にまとめられた松山市教育委員会編の『おへんろさん』によると、「今日、年間巡拝者が一万人を越えるといわれる新四国霊場としては、小豆島(しょうどしま)八十八ヵ所(香川)、篠栗(ささぐり)八十八ヵ所(福岡)、知多(ちた)八十八ヵ所(愛知)、大島准四国(おおしまじゅんしこく)がある。(㉛)」とあるが、ここでは全国に点在する代表的な新四国のうち、一般によく知られている香川県の「小豆島島四国」を取り上げて整理した。
 小豆島島四国は、高松港からフェリーで約1時間の瀬戸内海に浮かぶ小豆島にある(写真2-2-40)。この島四国は、数ある新四国霊場のなかでも代表的な写し霊場の一つとして、島四国固有の霊場会が組織され、先達制度も発達して独自の霊場というにふさわしい内容と信仰圏をもっている。その行程は150kmにも及ぶが、本四国霊場の約10分の1の手軽さもあって1年中多くの巡拝者が訪れている。霊場はいずれも美しい自然の中に点在する寺院や堂、庵などであり、巡拝者にとって歩いて7~8泊、自動車なら2~3泊の道のりである。

写真2-2-40 小豆島の玄関口の一つ、土庄港

写真2-2-40 小豆島の玄関口の一つ、土庄港

小豆郡土庄町。平成14年6月撮影