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えひめ、昭和の記憶 ふるさとのくらしと産業16ー四国中央市②ー(令和元年度「ふるさと愛媛学」普及推進事業)

第2章 平野部の産業と人々のくらし

 四国中央(しこくちゅうおう)市の川之江(かわのえ)・伊予三島(いよみしま)地域の製紙・紙加工業は、手漉(す)き和紙に端を発し、明治後期の機械化を経て、第二次世界大戦後に飛躍的な発展を遂げ、現在は全国有数の紙産地を形成するとともに、伝統工芸の水引細工の生産や、川之江紙まつり等の紙に関連したイベントも盛んで、紙関連産業を中心とした個性のある産地文化が形成されている。宇摩平野における農業は稲作を主とするが、我が国三大局地風の一つであるやまじ風が法皇山脈から吹き下ろしてくることもあって、サトイモやツクネイモ等の栽培が盛んで、被害を最小限に食い止める農業経営が行われてきた。また、法皇山脈の山麓の扇状地や丘陵では柑橘類の栽培が盛んであった。
 本章では、川之江・伊予三島地域で製紙業や農業に従事した人々の、地域の産業とともにあったくらしや思いについて、その一端を明らかにした。