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えひめ、昭和の記憶 ふるさとのくらしと産業10-西条市-(平成28年度「ふるさと愛媛学」普及推進事業)

第2節 果樹栽培と人々のくらし

 旧周桑(しゅうそう)郡において果樹栽培が盛んな地域は、道前平野南部の小扇状地や洪積台地上、関屋(せきや)川扇状地などである。扇状地は透水性の大きい砂礫(されき)から構成されているので河川は伏流水となり、乏水性の地形を呈するのが通例である。扇状地は山麓部から平野部に向かって扇頂・扇央・扇端に分かれ、生活用水等を取得しやすい扇頂・扇端部には集落が立地し、その中間に位置し河川水が伏流する扇央部は主に果樹園として利用されている。昭和初期からミカンやカキの栽培が盛んになり、特に愛宕(あたご)柿や富有(ふゆう)柿は安定した生産量を誇り、内(子(うちこ)・大洲(おおず)地区とともに県下の二大産地を形成している。
 本節では、カキ栽培を中心とした生産農家の取組について、Aさん(昭和15年生まれ)から話を聞いた。