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えひめ、昭和の記憶 ふるさとのくらしと産業10-西条市-(平成28年度「ふるさと愛媛学」普及推進事業)

第1節 西条登道商店街の町並み

 城下町として繁栄した西条は、寛永13年(1636年)に伊予河野氏の流れをくむ一柳直盛(ひとつやなぎなおもり)が西条へ就封の途次大坂で病没し、幕命により直盛の長男一柳直重(なおしげ)が西条藩三万石を与えられ、陣屋を築城したことに始まる。一柳氏は、有力な町人を城下町に誘致して町の繁栄を図り、そのころには、陣屋の周辺に本町、横町、紺屋町、東町、大師町、中之町及び魚屋町といった、現在の中心市街地の素地となる町人町も形成されたと伝えられる。
 そのような町人町を基盤として発展してきた旧西条市の中心市街地の基幹軸ともいうべき商店街は、東町商店街が東西に、南北には北から紺屋町商店街、中央商店街(銀座街)、栄町中組商店街、栄町上組商店街、そして登道商店街が連続的につながり、東町商店街の中央部の近いところに紺屋町商店街がT字型に交差し、一大商店街が形成されている。しかし、近年は、郊外店舗の立地や後継者不足等の影響から空き店舗が増加しており、かつてほどの賑(にぎ)わいは見られない。
 戦中・戦後から昭和40年代までの登道商店街の町並みとくらしについて、Aさん(昭和3年生まれ)、Bさん(昭和6年生まれ)、Cさん(昭和8年生まれ)、Dさん(昭和12年生まれ)、Eさん(昭和35年生まれ)から話を聞いた。