四国八十八ヶ所には、昔ながらの歩き遍路、モータリゼーションの進展に伴い戦後始まった団体バスによる巡拝に続いて、現在では自家用車での巡拝が多くなってきた。さらに、道路や道標の整備が進み、巡拝地図や遍路案内書が普及した結果、前節でも指摘しているように、今日では人々は様々な手段で霊場を巡拝している。 その人たちはどのような気持ちで遍路道を巡り、霊場を巡拝しているのだろうか。愛媛県生涯学習センター研究科で行った遍路に対するアンケート調査を通して、その実態と心情を探った。