データベース『えひめの記憶』
瀬戸内の島々の生活文化(平成3年度)
3 個人の生き方・考え方
個人の生き方・考え方については、①伝統や習慣の重視度、②個性の重視度、③家庭内のコミュニケーションとコミュニティ活動参加への意義、④「もの」や「こころ」に対する価値観、⑤政治や社会への関心の5つの観点から意識を調べた。結果からは、伝統や習慣を重んじる保守的傾向が強く個性の重視度は低いこと、勤勉であるとともに物より心の豊かさを重視するほか、家庭内コミュニケーションを大切にし、教育熱心で学歴重視の傾向があることが言える。
『87生活文化』と共通する設問について「生き方・考え方指数」を求めて、県全体と比較した(図4-2-15参照)。全体的には県レベルと同様の傾向を示しており、同調査に要約されている以下のことがそのままあてはまる。
《保守性…昔からある行事やしきたりや世間の常識を重視する傾向が強い。反面、新しいものに挑戦したり、自分の個性を主
張することに対しては消極的である。》
《温厚さ…家庭内コミュニケーションやコミュニティ活動への参加意識は旺盛である。》
《堅実さ…「余暇よりも仕事優先」という人が多く、仕事に充実感を覚える人が多い。》
しかし、《一方で、年齢別にデータを見ていくと若い世代になるに従って、より個性的に、より余暇を生かした生活がしたいという傾向も顕著にあらわれており、今後もこのような生活志向の変化が強まっていくことが考えられる。》という指摘に対しては、逆の結果も得られた。すなわち島内版では、高齢者の層ほど無難なものより個性的なものを選ぶ傾向がより強く見られた(図4-2-16参照)。この事実は注目に値しよう。