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瀬戸内の島々の生活文化(平成3年度)

(3)老後のくらし

 過疎化・高齢化などの社会問題を抱える地域であり、老人世代と若い世代との同居に対して87.2%が肯定的である。全国レベル42.3% (『89長寿社会」)や県レベル67.8%(『89愛媛県政」)と比較しても、かなり高い値となっている。そして、実際に回答者の半数以上の家では両方の世代がいっしょに生活している。都市部ではなかなか実現しにくいことであり、満足度の項でも触れたゆとりのある住宅事情と、あたたかい人間関係の産物と言えよう。
 将来不安に感じることについて尋ねたところ、第1位は「老後の健康問題」で約半数が不安を感じており、行政への要望の第1位「社会福祉・老人対策」(49.3%)とも一致する。ついで「将来の生計、孤独な生活、仕事の将来性」に対して約4分の1が不安を感じている。2位以下は世代間で若干の差が見られ、「将来の生計」では20~49歳の若い世代の割合が高く、「家の存続」では50~64歳の割合が高くなっている(図4-2-14参照)。島から若者が離れていく現実を反映した値と言える。
 一方、「不安はない」と答えたのは、全国レベル(『89長寿社会」)20.1%、県レベル(『89愛媛県政』) 6.9%であったのに対して、今回は「特になし」が28.3%と高い値を示した。中でも、65~79歳では47.6%と半数近くの人がそう答えており、老人世代と若い世代との同居率が高いことと関連があると思われる。

図4-2-14 将来不安に感じること(年齢層別)

図4-2-14 将来不安に感じること(年齢層別)