学び舎えひめ<you遊コラム>

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■ おさかな館だより「アカメ」

四万十川のシンボルアカメは、生息数が少ないこと、生態が未解明なことから幻の魚と呼ばれています。おさかな館では、平成8年より、アカメの繁殖に取り組んできましたが、どの魚が雌か雄かすらわからない状態でした。
 3年前から、愛媛大学農学部の三浦猛教授と、生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)を投与する試みをはじめました。その結果、4個体から精子が採取できました。川で繁殖する場合には海水では精子は動きません。海域で産卵する場合にはその逆です。アカメの精子は海水で動くことが確認でき、海域での産卵することが分かりました。
 また、腹部へ、チューブを挿入し生殖腺の一部を採取する方法で、3個体から未熟な卵細胞が得られました。この卵は、栄養となる卵黄の蓄積が始まったばかりで、受精できる状態ではありませんでした。その後、産卵期も終わり、繁殖は来年に持ち越しとなりました。
 今年度の結果を元に、来年度は更に研究を進め、繁殖に成功させたい思います。繁殖に成功すれば、未知の生態が解明でき、生息地での保護につながっていくと思います。
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