学び舎えひめ<you遊コラム>

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■ 自然からのメッセージ その1 「自然との関わり方」②

最近、人と野生動物の間でいろいろな問題が出てきています。
 たとえば「タヌキが家の庭に来たから餌をやってみたら、仔連れで毎晩現れるようになった」というような話を耳にした事がありませんか?それらは、どういうことにつながるのでしょう?自分で餌を探さなくてもよくなり、運動不足の肥満タヌキが現れるかもしれません。栄養状態がよくなり、自然状態以上に数が増えるかもしれません。 もし餌をやらなくなったら、人家周辺で残飯をあさったり畑の農作物に手を出したりしてしまい、害獣として駆除されるかもしれません。片方では餌をやり、片方では殺すという矛盾した行為につながる可能性があります。さらに、人が飼っているペットからうつった伝染病が流行って死に至る事もあるのです。
 また、成川や滑床など観光地のサルも、人から餌をもらう事に馴れてしまっています。栄養価の高い食べ物を安定して得られると、出生率が上がり、コザルの死亡率は下がります。そうして、どんどん仲間が増えていきます。仲間が増えすぎると群れは分裂をし、分かれた群れは周辺の人里に出てくるかもしれません。そのうち人里で悪さをし始め、そうなると一斉捕獲や、鉄砲で射殺されるという結末を迎えるでしょう。
 よかれと思ってしたことが彼らの本当の幸せにつながっているかどうか、考えてみる必要がありそうです。
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